雑に記す

雑記です。

ファッションと発達障害と高次脳機能障害

自身を何らかの精神障害に当て嵌めて騙ることはそう珍しいことではなくなった。誰もが一度は自分の病みを語ったことはあるのではないか。例えば発達障害だからとか。

ただ、そういう人を見るとかなり辛くなってしまうのは、医療なり心理なり、福祉や介護でもそうだが、基本的に精神病は脳の病として教わるからだ。メンヘラという言葉さえ嫌いな人間は多いが、まだ心の病といわれれば救いようがあるが、脳の病といわれるとあまりにも救いようがない。そして医療なり何なりの世界の人は習ったことを忠実に実行している人であるほど、精神病を脳の病と考えているわけであるから、患者は心の病と思って自身を語っているのに、あちら側の人間は脳の病による症状としてその語っていることを捉えている可能性が非常に高いわけで、こうなると何を語っても、語れば語るほどに救いようがない。まあ、背景を鑑みれば救いようがないというだけで、現場はもっとふわっとしているだろうけれど、悩みの深い人ほどやはり背景について考えてしまうと思うのだ。メンヘラと医師、メンヘラとカウンセラー、メンヘラと支援者。この垣根について考えてしまう人はそもそもはじめからメンヘラなど自称しない方がいい。

高次脳機能障害という名称がある。興味のある方はネットで調べてもらいたいが、高次脳機能障害精神障害と、一体何が違うのか、と問われると答えに窮する人間は多いのではないか。

http://www.rehab.go.jp/application/files/8215/6591/4352/201908_.pdf

高次脳機能障害認知障害と社会的行動障害に分けられるが、一例として社会的行動障害ならば、近年の研究により前頭葉の欠損など、脳の明らかな損傷を原因とすることが分かっている。そして症状的には精神障害と共通するものが多い。

どうだろうか。メンヘラと呼ばれる内は耐えられても、脳の障害としてはっきりと認知されたとき、耐えられるだろうか。世間の目は冷たいし、専門家こそ冷たい目線で見ている。それは体系的に医療や心理や福祉を習えば習うほどにそう冷たくなるように教わるのだから、仕方がない面がある。

安易にメンヘラを名乗って特にそんなつもりもないのに他人に脳障害だなんて認知されてしまったら、あなたは耐えられるだろうか。私ならとても辛い思いをすると思う。そして事故による明らかな脳の損傷とかではない限り、今のところ脳障害といいつつMRIなどで脳の損傷をくっきりと確認することが難しかったりするのだ。脳障害といいつつ。

目視で脳の損傷や欠損が確認できないのならそれは脳障害とは呼べないのではないかと思うのだが、今のところ精神病は脳の病であると習うのだからどうしようもない。

脳の病であると考えている人間に心の悩みを相談するくらいバカバカしいことはないと思う。そもそもサービスとして求めているものと提供されるものにズレがあるのだから、脳の病で構わない人以外は安易にメンヘラを自称すべきではないと思う。